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【天は赤い河のほとり】短編集

第5章 ラムセス:01│エジプト*恋物語


【エジプト*恋物語】ドリームside
ラムセス:恋人│1(1/2)/3P┃3300文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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「このっブス!!」

ぐしゃっ

罵声と衝撃と痛みと腐った匂い───と共にわたしの頭に当たったのは……たまご?

すぐに声のした方を振り向いても、街を素知らぬ顔をした人が行き交うばかり。

くすくす、と言う笑い声はどこかからする。

(うわー、ドロドロして気持ち悪い…)

親切顔のおばさんが「大丈夫」と声を掛けてくれたけど「平気です、」と帰り道を急いだ。



家に帰って汚れを落とす。こんなのはよくあることで、一度外出すれば無事に帰宅できる日の方が少なかった。

みんな、わたしに嫉妬してるのだ。

ラムセスの恋人のわたしに。

彼はほんとによくモテるから。まぁ地位のある人だし、それに加えてあのルックスじゃ仕方ない。わたしが恋人の座を射止められたのもきっと彼の気紛れだろう。

それでも遊びや一度限りではなくて、ちゃんと《おれの女》にしてくれたのは彼の誠実な部分なんだと思う。

そんなラムセスがわたしは大好きなのだ。

なので嫉妬を向けられるのはべつに気にしないでいられる。
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