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【天は赤い河のほとり】短編集

第4章 ルサファ:01│雨が上がる時


【雨が上がる時】ドリームside
ルサファ:片想い│7/9P┃6500文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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「とりあえずはなにか軽い食べ物を頼む」と言ってテーブルに着いた彼に食事を運びながら軽く話しかける。

「昨日のお酒は残ってないんですか?二日酔いとかで体の方は大丈夫?」

「あぁ。おかげさまで…──────!」

話ながら席に近づいた瞬間に腕を取られる。

おどろいてルサファさんを見ると目を大きく見開いていた。

「ちょっ……………!!!」

「ドリーム、ちょっと来てくれ」


強引に手を引かれてルサファさんに店の外に連れて行かれる。裏側の人気のないところで壁を背にする形で向かい合う。

「な、なんなのでしょうか。わたし仕事が……手、も痛いですし…」

「あっ、す、すまない」

困惑の瞳を向けるとパッと手を離してくれた。

(突然どうしたの…?ま、まさか………)


「こんなことを聞くのはおかしいんだが、昨夜おれの部屋にいなかったか?」

ドキン、と一瞬心臓が止まった気がして、なんだかイヤな汗が流れる。

「い、いいえ?わたしがですか?そんなことあるわけないじゃないですか」

「………………………………………」

「あ、あの……?」

その瞳はわたしを真っ直ぐに見つめてなにかを一生懸命に探っているみたいだった。


(彼が探る───それは、きっと昨夜の記憶)

「えと、そろそろ仕事に戻らないと…」

横を無理やり通り抜けようとした時に、かすかに触れただけで熱を帯びそうになる肌や、匂いを感じただけで紅潮する顔を必死に隠した。

(ルサファさんが気づいたかは分からないけどわたしからそれを言うことは絶対にない。あれはお互いに一夜の夢だったんだから)


(15/11/28→24/03/11)
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