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【天は赤い河のほとり】短編集

第4章 ルサファ:01│雨が上がる時


【雨が上がる時】ドリームside
ルサファ:片想い│2/9P┃6500文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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その日も少し雨が降っていた。

青空とはいかなくても晴れていた空は急にぐずりだしてその雫をぽつぽつと落としている。

お使いを済ませて濡れて煙る街を帰路へと急いでいる時に、偶然ルサファさんを見かけた。

遠目でも分かるくらいの端正な顔立ちにムダにドキドキする。そんな彼にも『挨拶くらいはしてもイイだろう』と近づいてハッと息を飲む。


女性用のアクセサリーなんかの小物が並んでる店の軒先でじっ、と商品を見つめている。かと思えば頭を振って、その場をうろうろしたり髪をかきむしったり………と挙動不審なルサファさんがなにをしているかは一目瞭然だった。

その姿を見ていたらとたんに胸が苦しくなって息が詰まる。そんな姿を見ていられなくて、わたしは雨の中に身を隠すように走り出す。

(彼に想い人がいるのはなんとなく気づいていた。わたしはただ憧れてただけのハズ………)


なのにどうして

こんなに胸が痛むのだろう。

執筆日(15/11/28)
変加筆(24/03/10)
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