第1章 剛毅直諒
他に目をやると見るに耐えないものだらけ。あ、やべぇ酔ってきたかも
外にでも出るか…
そーいや日も落ちてきたな…ま、大丈夫か
ゆっくりゆっくりと足を進め、目的のないまま知った道を歩く。なにもない私は自由だ!!!
「暗い所で一人ですか?Lady?」
「いぎゃ!??」
後ろから話しかけられるものだからつい驚いてしまう。…コイツ背が高いぞ
「暗い夜に女性が一人出歩くのはどうかと思いますが」
…よく見えないが…ま、眉毛が太い…?海苔か?
「ああ、散歩だ」
「夜一人で出歩くのは危ないので帰ったらどうでしょうか?」
目を見るとコイツはただの善意だと分かる。たまに皮肉を交える奴がいるからな。油断ならねぇ
「あ、あぁ…そうする」
煮えきらない答えを返し、元々の道を引き換えそうとすれば…
「一人は危ないですし送りますよ」
…よく考えろ
コイツは善意でやっているな…でもコイツ不審者にも見えるぞ…
そんな奴に家を知られたら大分まずい。かなりまずい!!
「あ、あぁ…お願いする」
チラっと顔を覗けば形の良い笑顔が待っていた。この時代にこんな紳士的な奴がいるとは驚きだな…