第16章 副隊長、告白します
宗四郎に笑われながら机を拭き、このちゃんを見据える。
強引過ぎただろうか…たぶん宗四郎は私を選んでくれる。
そう思ってて告白しろと言っている。
副隊長と声を発したこのちゃんを宗四郎は見ようとしない。
立てないので彼の椅子に座ったまま目の前の彼を見上げた。
彼は上を向き一度深く息を吐き出すとこのちゃんに向き直った。
「副隊長が好きです。いつからかはわかりません、気付いたら目で追っていました。なので、いつも愛しそうに凉ちゃんを見つめる、あなたの目にも気付いていました。」
付き合ってくださいと彼女は続けた。
「すまん、君の気持ちには答えらへん。あないなことしといて悪いと思っとる。僕は君を利用した。」
ほんまにごめんと彼は頭を下げて謝る。
次は私か…彼がどちらも選ばないということも考えられる。
それが怖い。
宗四郎と呟くと振り向いた彼は私を真っ直ぐ見つめてくる。
座ったままでごめんと言うと、彼は屈み目線を合わせてええよと言ってくれる。
「…一目見た時からあなたに惹かれていました。でもすぐに気付かなくてごめんなさい、何度も好きだと伝えてくれるあなたを無視してごめんなさい。それでも私は、これからもずっと…永遠にあなたを愛しています。」
今さらながら、親友同士で同じ人に告白する現状に笑いが込み上げそうになる。
振らないで…と彼の目を見つめた。
「振るわけないやん。僕かて、ずーっと君のこと愛しとる。いっぱい泣かせてごめんな…許してくれるんやったら、ずっと僕とおって。最前戦で戦い続ける僕の、死なれへん理由になってくれ。」
君だけが僕のお姫様やと甘い甘いスイーツのような言葉を与えてくれる。
このちゃんごめん、最低な親友でごめん。
保科宗四郎は私のものです。