第16章 副隊長、告白します
気付くと仮眠室のベッドに横になっていて、このちゃんの匂いも宗四郎の匂いもしないから、恐らく別の部屋だろう。
「凉さん!大丈夫!?」
「レノ、くん…?」
どうしてレノくんが…。
聞いてみると、宗四郎に呼ばれたらしくて、そのままここでついていろと言われたらしい。
何があったのか聞かれるが、何も答えられなくて黙ってしまう。
私、過呼吸…なったんだよね?
副隊長に変なこと言われたんだけど…と続ける彼。
「凉を幸せにして欲しいって…あと凉さんに、仕事は他の人に届けさせるから副隊長室には来なくていいって。」
突き放された?捨てられた?私の顔すら見たくない?
「やだ…。」
あんなことまでされて私はなんで、彼の傍から離れたくないんだろう。
すぐに起き上がって私を止めるレノくんを無視して、仮眠室を出て行く。
真っ暗な廊下を走って、涙が後ろに流れていく。
辿り着いた先の扉を勢いよく開け放って、見つけた愛しい人の膝に縋りついた。
「捨てないでっ!!もうあんな態度とらないから!離れたくない!!」
「……え…なんで…。」
彼のズボンを濡らしていく。
やだやだと太腿に顔を擦りつける。