第15章 副隊長、基地が大変です
「ひゃっ!?」
いきなり爆発音が聞こえ揺れだしたのと、それに驚き立ち上がった彼に驚いて思わず声を発してしまう。
すぐにオペレーションルームと連絡を取る彼から手を離し、私もその声に耳を傾ける。
各個体全て本獣クラスの大群が上空から襲撃してきたようだ。
隊長不在のこんな時に…みんなを守らないと。
ジャージを脱いだ彼を見て私もすぐにロッカールームに向かった。
今度から私も副隊長室で着替えられるようにしてもらおう。
着替えていると彼の声が聞こえてきた。
亜白隊長がいないので、副隊長の彼の指示の元、行動しなければならない。
「凉はスーツ着たらすぐ僕んとこ来い。」
「了!」
スーツが肌に吸いついていくのを感じながら専用武器を取りに行き、すぐに彼の元へ向かう。
何故、ピンポイントで怪獣は立川基地を攻めてきたのだろう。
「副隊長!遅くなってすみません!」
「お前は僕と一緒に来い。狙撃苦手やろ。」
一応銃器の解放戦力は低くないのだが、狙うのが壊滅的なので結局あまり意味がない。
近くで撃たないと当たらないのだ。
後、止まってるものとか…。
こんな事態になっていても、彼は冷静に指示をし立ち回っている。
私もあんな風にならないと…この基地のNo.3なんだから。
動き出す彼についていくと日比野さんと話し始めた。
「あぁ、となると考えられることは一つや。プライドの高い翼竜系を束ねてしまう程の力と、目的を持って行動する、知性を有する、超強力なリーダーがおる。」
来た…あいつが本獣。超強力なリーダー、ね。
運良く小型、あれなら宗四郎でも…。
すぐに銃剣を構えた。
「この基地で一番強いのはお前か。」
人語!?
本当にもう、最近の怪獣共はどうなってんのよ。
「隊長おらんし…まあ、僕やな。」
「私も負けてないけどね。」
アホと呟かれた。
少しの沈黙の後、どっちだと言われたのでさぁ?と答える。
「そうか、なら決まった。お前らが俺の獲物だ。」