第2章 午後の来客
ランダルが戸惑ったように、こちらを見ていた。
私は、その視線に気づきながら、
ふとした調子で、口を開いた。
「よかったら、うちで食べていかない?」
そう言って、グラスの氷をくるくると回す。
風がまだ吹き込んでいた。
レースのカーテンがゆっくりと揺れて、
その影が床に細長く落ちている。
私は、あくまで自然な誘いのつもりだった。
ごくふつうの、誰かに言えるくらいの軽い言葉。
ただ、同じ空気を共有した今の流れで、それが自然に思えただけだった。
けれどランダルは、また少し黙ってしまった。
グラスを手にしていた指がわずかに止まり、
こちらを見ようとして、また逸らすような、落ち着かない仕草。
返事はなかったけれど、私は気にしなかった。
「ね、無理しなくていいから。気にしないでね」
そう言い足しながら、私はソファの背にもたれた。
ほんのり冷えたガラスが指先に気持ちよかった。
外の光は、さっきよりもわずかに色を帯びていた。
夕方に向かって、じわじわと世界の輪郭が変わっていく。