第7章 マーキング
「白雪、傷口綺麗になったんだな」
『はい、医療班の方に相談してみたらいい塗り薬をもらって。それがよく効いたのでお陰様で元通りです』
「それはよかったな」
エマの言葉にミナと一緒にいたキコルは安心した顔をした。
保科は約束通り、この1週間キスマークをつけることを我慢したのだ。
おかげでエマはミナとキコルを安心させることができた。
ところがエマはあることに悩まされることに…
『ッ…///(どうしよう、この前のことが鮮明に思い出してしまう)』
ジャーっとシャワーの音が浴室内に響き渡る中、エマは先日の保科との行為を思い出していた。
そう、保科の思惑通りになったのだ。
補佐官室で仕事をしている時も同じように保科との行為を思い出させられ、なかなか仕事に集中出来ずにいたのにシャワー室でも同じ現象が起きていることにエマはため息を漏らした。
『マーキングなんかしなくても私は宗四郎のモノなのに…』
鏡に映るエマの躰には、再び赤い華が咲き誇っているのであった。