第5章 隊員任命式の後…
----遡ること1時間前
隊員任命式後のことだった。
「あ、あの!白雪補佐官!」
『?…四ノ宮さん無事回復したのね、良かったわ…』
「申し訳ございませんでした!私のせいで補佐官に怪我を負わせてしまって…」
エマに深々と頭を下げるキコル、そんな彼女にエマは頭を上げてと伝える。
エマの言葉でゆっくりと頭を上げると…
「白雪補佐官には感謝してます。二度とあのようなことにはならないようこれから訓練に精進します」
キコルの瞳はとても力強かった。
『ええ、楽しみにしてるわ。頑張ってね。改めて入隊おめでとう、これから宜しくね』
「ッ//はい!」
握手を交わす二人、そしてエマがにっこりと微笑んだ時だ。
「ッ!ちょ、伊春くん!!鼻血がっ!」
「へっ!?うわっ!…なっ!///白雪補佐官!?///」
『大丈夫?…ごめんね、ハンカチしかないんだけど…取り敢えずこれで抑えて…って古橋くん!?』
エマの微笑みに何故か伊春が鼻血を出したのだ。
そんな彼にエマは咄嗟に自身のハンカチを彼の鼻にあてがったのだ。
エマの中では伊春の隊服が鼻血で汚れるのを阻止したつもりだった。
ところがそれは逆効果で、伊春は緊張のあまりその場で気絶をしてしまったわけだ。
再びざわめく場内、伊春はカフカに抱き抱えられて医務室へと運ばれた。
そんなことがあったのだ。
勿論保科はそれらの出来事を全て見てた訳で…