第21章 みんなの知らない彼の顔《番外編》
「視力検査の疲れを癒すアフター目薬?そんなの初耳やねんけど」
「まあ騙されたと思って!!」
カフカから手渡された目薬を手に取る。
「ていうか僕目薬さすの苦手なんやけどなぁ」
「なに子供みたいな事言ってるんすか!」
しゃーないやん!
僕目薬さす時はエマにやってもらってるんやから!
カフカも何企んどるんや?
しつこいし、さっさと終わらせよ。
とは言うものの…
「上手く入らんねんな!」
やっぱりエマにやってもらわな無理やわ〜
「(開かないからですよ!!!!)」
呑気な保科にカフカは心の奥底で大声でツッコミをするのであった…
「(よ、よしっ!作戦Bだ!!)副隊長!飯いきましょ!!」
カフカの作戦Bとは…
「うほーっ!!目を見開くほど美味そうですね!?」
「なにを言うてんねん…」
「(ご飯中はやっぱり気が緩んでるわね…でもなんで貝?)」
ここは網焼き専門店…
テーブルには網の上に乗せられたエビと貝…
香ばしい香りが店内を包み込んでいた。
何故わざわざここにしたのだろうか…っとキコルは首を傾げたが漸く気づく…
「ッ!(まさか貝が開けば開眼するとでも思ってるわけ!?)」
ギロリとカフカを見つめれば、何故かグッドサインをするカフカにキコルは小さくため息を吐く…
その時だった…
「おいキコル!開くぞ!!」
「ッ!(ついに開く時がくるのね…!)はっ!?」
カメラを用意したキコル…
カシャっ!
フォルダーを確認するとそこには…
「(貝じゃない…)貝が開いた写真を撮ってどうすんのよ!!」
「いや、俺はそろそろ食べ頃だって教えようと…」
「さっきから開くだの開かんだの…何のことかはよう分からんけど…なんや開けたいもんがあるんやったら"こじ開ける"のも手やで」
「「(こじ開けていいんですかー!?)」」
はたして二人は鉄壁の保科の目を開くことができるのか…