第4章 2。
俺はその後ろ姿を見つめながら、「会議」という言葉を頭の中で反芻し、すぐに「この人は忙しい人だ」と察し、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、肩を落とし小さく息を吐いた。
ルアも同じことを思ったのだろう、同じように肩を落としながら俺のことを心配し、気遣うように小さな声で「大丈夫?」と問いかけてきた。その言葉を聞いて俺は小さく頷いた。
しかし、その後、ルアに対してどのように反応すればよいのか分からず、彷徨っていた視線を緑豊かな広大な土地と果てしない青空に移し、大きくため息をついた。
「よし、これで大丈夫だ。それじゃあ、行こうか」
分隊長と呼ばれた人物は、男性が走り去り姿が見えなくなったのを確認すると、両手を腰に当てて安心したように微笑んだ。
「え…行くって?」
「決まっているじゃないか。君たちを家の近くまで送っていくんだよ」
そして、再び戸惑っている俺たちに向き直り、その場にしゃがみ込み、目線を合わせて微笑みながらそう言った。
俺たちは「送る」という言葉に一瞬躊躇したが、目の前の笑顔を見てしまったら、断れなくなってしまった。
俺たちは今日、何度目になるのだろうか。お互いに顔を見合わせ、頷き合い、「お願いします」としっかりと頭を下げた。
「はは、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。よし、行こう!」
分隊長と呼ばれた人物は、俺たちの頭を優しく撫でながらそう言い、立ち上がると「おいで?」と言って手を差し出してくれた。俺たちは母さんと姉さん以外の他人と関わることが少なく、手を繋いだ経験もなかった。そのため、一瞬躊躇して、その手を恐る恐る取った。
そして、その人は俺たちを両脇に立たせ、しっかりと手を繋ぐと、ゆっくりと歩幅を合わせて歩き始めた。
普段は、お遣いを終えたらすぐに帰宅することが多い。寄り道をしたいと思っても、家からお遣いをするお店までの道しか知らない。そのため、街の土地勘があまりなく、時折、余ったお金で買い食いをすることはあるが、基本的には寄り道をしない。
そのため、母さんは普段より遅い帰宅を心配しているだろう。心配をかけてしまったことや、分隊長と呼ばれている人にも迷惑を迷惑をかけたことを、申し訳なく思っている。