• テキストサイズ

空を見上げた。

第4章 2。



「あぁ、ごめん…いきなり驚かせてしまって、申し訳ない」

すると、その人は我に返ったように、俺からそっと体を離し、謝罪の言葉を述べた。そして、嬉しそうに再び俺の全身に視線を巡らせた。その後、その人はかけていたメガネを一度額に上げ、上を見上げながら目元を指で拭った。それから、眼鏡をかけ直し、微笑みかけてくれた。

「いや…えっと…あの、俺たち…どこかで―」

俺は抱擁を解かれた後、「どこかで会ったことがあるのか」と尋ねようとした。もし一度でも会ったことがあるのなら、忘れるはずがない。

俺は滅多に家の敷地内から出ないし、家族やルア以外の人と関わる機会もほとんどない。そのため、一度会って話した人は絶対に忘れない。特技と言うほど大袈裟なものではないが、生きていく上で無駄にはならないと思っている。

「分隊長!こんなところにいらっしゃったんですか!?もう皆さんお待ちかねですよ…って、えっと…この子たちは?」

しかし、俺が尋ねようとしたとき、背後から馬の駆け寄る足音と、目の前の人物を「分隊長」と焦った様子で呼ぶ男性の声が近づいてきたため、俺たちは思わず身をすくめた。

そして、恐る恐る振り返ると、その男性も同様にマントを羽織っていた。

すると、分隊長と呼ばれた人物が俺たちを隠すように素早く目の前に立ち、「すまない、モブリット」と言いながら後頭部に手を置き、苦笑いを浮かべた。

「そう、この子たちは迷子なんだ。これから私が二人を家の近くまで送っていくよ。急なお願いで申し訳ないんだけど、会議には欠席すると伝えてもらえるかな。」
「いやいや、そんなに急には無理ですよ!この子たちは俺が送りますから、すでに団長も兵長もー」

「私が送るから大丈夫!っと…大声を出してごめん。後で文句はいくらでも聞くから、そう伝えてほしい。そして、二人のことは絶対に伏せておいてほしい。頼むよ、モブリット…」
「…りょ、了解しました。それでは…」

しかし、男性に言葉に「分隊長」と呼ばれた人物は引き下がらなかった。むしろ、「分隊長」と呼ばれた人物の声に、男性は一瞬気圧されて戸惑っていた。しかし、すぐに気を取り直し、困惑しながら返事をすると、馬の手綱を引いてその場から素早く離れていった。

/ 288ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp