第4章 2。
俺はルアの姿を見て、ひとまず安心し、少し肩の力を抜いた。そして、目の前の人物は首を傾げながら再び問いかけてきた。
すると、ルアはメガネをかけた人物を見て驚いた様子で言葉を濁し、困惑しながら口ごもる俺をかばうように素早く目の前に立った。そして、お互いに「大丈夫」と言うように、強く手を握り合った。
ルアも俺と同様に、この先の言葉が思いつかないのだろう。二人で目を彷徨わせることしかできない。
「どうしてこの場にいるのか」という問いかけに対し、一番無難な返答は「迷子です」だろう。
それが一番穏便に済むだろう。しかし、なぜかその言葉を口にすることができなかった。
目の前の人物はしゃがみ込んだまま、優しい雰囲気を漂わせ、根気強く温かい瞳で俺たちを見つめ、言葉を待っている。すると、ルアが勇気を振り絞り、思い切って口を開き、「迷子です」と言おうとした、その瞬間…
「ちょ、調査兵団のマントを見かけて追いかけたら見失って…探していたら、ここに来ていました!ごめんなさい!」
俺は咄嗟にルアが口を開くよりも先に、自分の口を開いてこの場に訪れた理由を伝え、深く頭を下げた。
「え、あ…はい!僕はこの子を追いかけてきました。ごめんなさい、すぐに帰ります!」
すると、ルアも同様に戸惑いながら正直に理由を話し、頭を下げた。握り合った互いの手は震えていた。この先、何を言われるのか、とても不安だった。
しかし、下手に嘘をつくよりも、正直に理由を話して、頭を下げた方が良いと思った。確かに、ここに来たのはルアが調査兵団のマントを見かけたからだ。
それでも、ルアの制止を振り切って勝手に追いかけたのは俺だ。後先を考えずに行動してしまい、もしこの人に怒られなくても、他の兵士に叱責されて母さんたちに迷惑がかかってしまったら、と考えると恐怖で全身が震えてくる。
しかし、全ては衝動に駆られ、何も考えずに身勝手な俺が単独行動した結果だ。俺が怒られるのは当然だが、ルアが怒られる理由はない。
俺たちは互いを安心させるように手を強く握り、まぶたを閉じて頭を下げ続けた。握り合っている手は手汗で滲み、不快感を覚えるが、それを気にしている余裕はなかった。
「おぉ!そうか…まぁ、壁の中に調査兵がいるのは珍しいから、気になるのも無理はないよ。大丈夫、怒ったりしないから。ほら、もう顔を上げて。」
