第4章 2。
「…っはぁ…はぁ…だめだったか…」
俺は余計なことを考えず、ひたすら走り続けて追いかけた。しかし、やはり大人と5歳の子どもでは脚力に大きな差があった。
そして、目的を見失い、周囲を見渡して落胆のため息をついた。現在、自分がどこにいるのか分からず、戸惑いながら右往左往してしまう。
そう思いながら周囲を見渡して歩いていると、目の前に木々が生い茂る場所がふと現れた。
俺は思わず抱いた好奇心を抑えきれずに歩みを進めた。目の前には「この狭い壁の中にもこんな場所があったのか」と驚きで言葉を失うほど、そこには緑豊かな木々が生い茂り、広大な土地が広がっており、俺の足は自然と、その場に引き寄せられるように進んでいく。
「…わぁ…すげぇ…」
引き寄せられるように、道とは言えない場所を歩いてきた。目の前には緑あふれる広大な土地と果てしない青空が広がっている。
しかし、これ以上進んで誰かに見つかったら怒られるかもしれないと思い、一瞬、足を止めた。それでも、頭では理解していても心は正直で、立ち止まった足は再び動き出し、進む歩みは止まらなかった。
「(怒られたら、その時はその時だ)」
心の中でそう呟きながら、覚悟を決め一歩を踏み出した。芝生を踏みしめる感触や風が木の葉を揺らす音に心を奪われ、心が躍った。これらすべてが初めての経験であり、全身の意識は目の前の光景に引き込まれていった。
「ははっ!すげぇ…家の庭から見るより、ずっと広くて綺麗な空だ!母さんにも見せたいなぁ…」
俺はその場で両手を広げ、声を上げて笑った。目の前に広がる光景に興奮が冷めやらず、母さんや姉さん、そして俺とルアの4人でこの瞬間を共に過ごせたら、どんなに幸せだろうかと想像した。時折、自分の体に吹き抜ける風でさえ、これまでに感じてきたものとはまるで異なるように感じられた。
俺の生きている世界はとても狭い。壁の中の狭さを含めると、5歳という年齢にしては知らないことが多かった。そのため、いつの日かルアが読んでいる本の世界や物語に共感できなくなり、自分の目で見て感じたことしか信じられなくなった。
ルアは俺の性格をあまり良く思っていないが、すでに窮屈で狭く感じる世界の中で、できるだけ自分の目で見て体験し、自分の世界を広げたいと考えている。