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【♀夢主】あたらしいかぞく【ランフレン】

第4章 ぬいあわせのひ


ランダルの部屋に呼ばれたのは、いつもの昼下がりだった。



廊下の先、ほんのり甘い香りのする扉を開けると、
そこはまるでおもちゃ箱の中のようだった。



ソファや床には布やリボンが散らばり、
ラックには色とりどりの、奇抜で不思議な衣装がずらりと並んでいる。



ピエロのような柄のワンピース、
裾が何層にも膨らんだ時代不詳のドレス、
ボタンが多すぎる学生服、
獣耳や尻尾のついた、どこかのキャラクターのような衣装。
色も形も、規則性のかけらもなかった。



「ねぇ、。今日はね、すてきな服をいっぱい用意したんだ〜」



ランダルは背を向けたまま、ハンガーをぱちんぱちんと弾いていた。

「似合うと思って選んだんだよ〜。ボク、すっごくまじめに考えたの。だから、ね、試してみてほしくて」



うきうきとした声で服を並べるランダルに、私は無言で頷き、
ゆっくりと部屋の中央へ進んで、脱ぎやすそうな場所に立つ。



指が、シャツの第一ボタンにかかる。



ひとつずつ、丁寧に外していく。
布が緩み、隙間から素肌が空気に触れる。
肩を揺らすと、シャツは音もなく滑り落ちた。



キャミソール姿になった私は、迷わず肩紐へ手をかけた。



そのとき——



「あ、ちょ、ちょっとまって、まって!」



声が一段跳ねた。

ランダルが慌ててこちらに駆け寄り、
キャミソールの肩紐を下ろそうとしていた私の腕を、ぴたりと止めた。



「え……、全部脱ぐ気だったの?」



私はその手を見つめる。



ふらふらと近づいてきたランダルは、
私の手にそっと触れ、キャミソールの肩紐を押さえた。



「……でも、うん、あのね……」



戸惑い混じりの声が、少しずつ熱を帯びていく。



「そこまでは、今日は……しなくていいかな。シャツだけで、十分だから。ね?上だけで……ね」



視線を合わせてこないくせに、私の肩元だけをじっと見つめながら、
ランダルはそっと手を引いた。



「……ほら、いろいろ着せたいから……それが見たいだけだから……うん」



その顔は、どこか熱っぽく、
声はわずかに、かすれていた。
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