第1章 プロローグ
その時、かの魔法学校ナイトレイブンカレッジは混乱の最中であった。
魔法の使えない異世界の住民が招かれ、挙句お招きでないモンスターの乱入まで。
「危ないっ!!」
乱入して来たモンスターの炎で式場が燃え上がる。
対処しようとその場の魔法師たちが構える。
その、瞬間。
ドクンッ
『……ん?どこここ?』
どこからともなく、いきなり謎の人物が燃え盛る床の上に現れた。
「え!?誰です!?」
「君、そこは危ないっ!」
その人物はふと足元を見て、自分が炙られていることをやっと認める。
『あー……なるほどね。焼き討ちしてんのだかなんだかしらんけど、燃やすならもっと強い炎じゃないとこの建物は燃えねぇよ?』
そしてその人物が『デリート』と呟いて指を振ると炎が全て消えた。
反応したように、続いて「オフウィズユアヘッド!!」と声が響く。
モンスターが無力化されたのを認め、魔法師たちの矛先は謎の人物に移された。
「何者だ?」