【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第10章 罪悪感ってやつ②
俺の思惑通り、沙織さんは大きな目を見開いて困惑した顔を見せる。
ああ…なんて可愛いのだろう…。
その顔でそうやって俺の事だけしか考えなければいいのに。
俺は抱き締める腕の力を強めて、沙織さんに再びキスを繰り返す。
しばらくキスを堪能して、俺は顔を離すと、沙織さんを起こしてまで伝えたかった事を話し出した。
「沙織さん…俺が好きだって気が付いた?」
「……………。」
揶揄うように言う俺の顔に、沙織さんは眉間に皺を寄せる。
正直……そうなんだろうと自分でも思っている。
憎たらしいはずの目の前の男の顔が、めちゃくちゃ好きだ。
触れられている唇も腕も、うっとりする位に多幸感を与えてくれる。
激しい快楽の衝動が治って、こうして改めて梅宮くんを見ていると、そんな気持ちになった。
だけどやはり…、十亀くんの顔が思い出される。
自分が梅宮くんを好きなんじゃ無いかと思う度に、十亀くんに対して胸が痛くなってしょうがないのだ…。