第9章 しりとり
部活の休憩中
ノヤさんと田中さんとしりとりをすることになった。
「よし、じゃあ、俺から行くぞ!」
順番は田中さん→ノヤさん→私
負けない!勝負事、負けられない・・・・!
「りんご」
「ごま」
「マントヒヒ」
「皮脂」
「!!!!清水潔子さん!!!!」
「あ!ノヤさん、“ん”つきましたよ!」
「試合に負けて、勝負に勝った。そういうことだ。」
どういうこと??
「くそう。ノヤさん。ずるいぜ…。」
なんか、ノヤさんはドヤってるし
田中さんは悔しがってる…
え?しりとりだよね?
私の知ってる、みんなの知ってるしりとりだよね?!
「次は俺からな!」
負けたノヤさんからまたスタート
「りす」
「すいか」
「かりんとう」
「うし」
「しまうま!!」
「「おい!!!!」」
二人に大声を出されてびっくりしてしまう。
「え?なんですか?」
「“し”が来たら “清水潔子さん”だろうが!!」
「何やってんだよ香苗、見損なったぜ…。」
ダメだ。このふたり、言ってることがめちゃくちゃだ…。
「え?しりとりですよね?」
「“し”がきたら“清水潔子さん”それ以外の言葉、当てはまらないだろ?」
当然のように言う田中さん。
「いやいや、あります。塩とか、シチューとか、鹿とか、いくらでもあります。」
「常識を捨てろおおおお!!!!」
急に叫びだすノヤさん。
ダメだ。
何言っても無駄だ。
ここは折れよう。
「わかりました。“し”がきたら“清水潔子さん”なんですね?了解です。」
わかればいいんだ。なんて言いながら満足そうな顔のおふたり。