第7章 バレンタイン
「みんなに喜んでもらえて良かったー!」
満足気な私を見て、みんなが黙る。
「え?!何ですか?どうしたんですか?」
いつも賑やかなみんなが黙ると怖い。
「いや、実は、な!」
ノヤさんが縁下先輩を見る。
「春高終わって、3年生が引退して、清水先輩がいなくなったあと、マネージャーの仕事頑張ってくれてるからって。」
縁下先輩が話終えると
「これ、俺たちバレー部全員から!」
田中さんから渡されたのは
キレイなガーベラの花束。
「えー?えーー?!どうしよう、泣きそう!!」
「なんていうの?逆チョコ??みたいな?」
「チョコじゃないじゃーん!!日向のばか!」
「なにおう?!」
笑って言う日向。
「あー、えーっと、ガーベラの花言葉は 感謝 なんだって。」
ぐっちが言う。
「僕と王様で買いに行ったんだよ。」
「おう。」
「え?!ふたりで?!想像できない!!」
「うん。もう2度と行きたくない。」
「うるせえ!月島!こっちのセリフだ!ボケ!」
笑顔のツッキーと影山の様子を見ると
大変だったんだろうなあ
「いや、でも、本当にありがとうございます。潔子さんがいなくなって、不安なことばっかりで・・・。でも、マネージャーとして、精一杯やっていきますので、これからもどうぞ、よろしくお願いします!!」
深々と頭を下げ、お礼を言った。
「こちらこそ!」
見上げると、みんなが笑顔を向けてくれてる。
あー、この高校来て良かった!
あー、バレー部のマネージャーやってて良かった!
今まででいちばん嬉しいバレンタインになりました!