第42章 離れた初夜…

「でも俺作った事ねぇよ」
「みつあみで十分だろ」
「み、みつあみ…って…なんだ？」
「そうですね。確かに。」

そう言って八戒がずいっと顔を出してくる。

「…よければ教えますよ？悟浄。」

そう言ってにこやかに笑ってやがる…まぁ…作ってみるか…理世が喜んでくれるのかはわからねぇし、初めて作るからぜってぇ上手くできる予感は皆無だ。

「…ーーーそうです、で、次にこの左を真ん中に…、そうですね、その繰り返しです」
「…なるほどな…で、これってどのくらい編んだらいいワケ？」
「本当は本人の手首に合わせてあげるのかいいんですが…」
「それか、少し短いかなくらいに編んで、結ぶ紐残してそこで調整してもらったらどうだ。」
「…あ、それナイスです！沙烙さん」
「だろ？」
「……おい、赤河童」
「なんだよ、今お前の相手してる暇ねぇんだよ」
「…不器用だな」
「…は？」

喧嘩売ってんのか…この坊主…確かにガタガタだしよ…でもそんな事は解ってんだよ…！こっちは全く分かんねぇんだっつぅの…

「…そのくらいでどうでしょうか？」
「あ、あぁ…」

三本をまとめて、結ぶ？…どうやってやんだよ…

「…ほら、もしよければ僕、結びましょうか？」
「いい…」
「いいって…でも…」
「大丈夫だ…」

最後まで俺が作る…その方がぜってぇいいはずだ…理世が泣かずに待てるように…俺が無事に生きて帰れるように…そして…今度こそ離さなくて済む様に…・・・

「まぁ、そんなもんだろ」

異様にかかった時間と、それに反比例して不格好なブレスレットが出来た。

「んじゃ、あと一本な？」
「はぁ？！」
「何言ってる、一人だけに持たせる気か？」

そう沙烙は言い放った…