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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第42章 離れた初夜…


「八戒達の言うような好きだの嫌いだの、そんな秤にかけれるようなものでもない…ただ、好きか嫌いか、と聞いただろ」
「…あぁ」
「それでも答えられねぇ」
「…なんでだよ…」
「好きでもねぇ。でも嫌いじゃねぇ」
「…好きじゃねぇのにキスするのかよ」
「色恋沙汰の好きってのじゃねぇんだって言ってんだろうが」
「…それ以外にどんなスキがあるのか聞いてみてぇよ。ごじょさんは」

少し茶化し気味に返事をしたのに、三蔵はそんなの関係ねぇ位に真面目に話してくる…

「俺にとって、何かの代わりになるとか、そういうんじゃねぇ。よくわからねぇってのが答えになる。」
「…なんだそれ…」
「貴様には解らんだろうな…」

…そうじゃねぇ…痛いほどわかるってんだ…

「なぁ、三蔵…?」
「ぁあ?」

その答え…教えてやろうか…それってな…

「愛だよ。」
「…何気色わりぃ事言ってんだ」
「俺がじゃねぇよ。三蔵が理世に対して抱いてる感情が…って事だ。」
「…フン…」
「初めの入りはお前のお師匠さんと同じこと言ってるとかって事だけだったんだろうけどよ。唯一無二ってやつだろ…だから世話だってやくし、俺に対して忠告みたいにもしたんだろうが。」
「…」
「放っとけなかった…俺との事で泣く理世の事…だろ…」
「ま、あながち間違っちゃいねぇな」
「…悪かったな…今まで…」
「別にてめぇの為じゃねぇよ」
「…わぁってるって…」

いつの間にか短くなった煙草を灰皿でもみ消せば残った煙を吐き出した。

「…にしても、」
「まだ何かあるのか」
「この三蔵サマを虜にするって理世もなかなかだよなぁ」
「よく言うぜ…俺にしてみたら貴様の浮気癖を直したほうがよっぽどすげぇだろ」
「…ま、どっちもどっちか」
「一緒にするな」

…ほら、そういう所だよ。お前は気づいてねぇんだろうけどよ?すっげぇ愛おしいって顔してんだよ…三蔵…
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