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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第38章 寂しい心…


それからは忙しく居たかった。どうしても一人になれば彼らを考えてしまうから…
時計の針すら戻せるなら…ーーーそんな出来もしないことすら考えてしまいそうになるから…

***

そうこうして一週間が経ったその日。

「あ!沙烙!」
「よう、」
「波珊も、いらっしゃい!」
「あぁ。」

沙烙と波珊がやってきた…いつもと同じ村の様子伺いだった。

「…今日は?ゆっくりと出来るの?」
「あぁ、それなりにな?して、理世?」
「何?」
「休憩は?」
「まだまだだよ。」

にこりと笑う。だけどきっと思い出さないために無理してるってばれてるような視線を沙烙には向けられた。

「…大丈夫だよ、」
「休憩時間まで待ってる。」
「何々?ごはんご馳走してくれるの?」
「違う」

くすくすと笑いながらも沙烙は『仕事をして来い』と促した。

「…何だろ…」

そう考えながらも私は忙しく注文を取ったり、商品を運んだり…いろいろと走り回っていた。

「…沙烙…」
「んぁ?」
「今渡しても大丈夫でしょうか…」
「てか、渡さないと約束をたがえることになる」
「そうかもしれないですけど…一週間たってようやく少し落ち着いて来たんじゃねぇかなって…」
「あれのどこ見て落ち着いてんだって言えるんだって…」

沙烙がジッと見つめる先に私がいる。だけどその時にはそんな視線すら感じていなかった…
少しして、詩氾に言われて昼食休憩を取ることにした。
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