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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第31章 嫉妬


「誰でもいいって思われたくなかった…」
「俺に?」
「悟浄はもちろん…三蔵にも…」
「…そうか…」

するっと頬を撫でて悟浄はしっかりと理世の目を捉えた。

「…これがよ?八戒だとんな事ないだろ?」
「ん…」
「悟空は?」
「しない…」
「断言出るだろうが…」
「ん…」
「でも何で三蔵は避けねぇんだろうねぇ…」
「…ッッ」
「好き、なのか?」
「…恋愛の好きは…解らない…」
「…そこはせめて言い切ってほしかった気がするけどよ…」
「でも…悟浄がいいのは…嘘じゃない…」

そういう理世の顔は崩れそうに迷いに迷っていた。

「…解ってる。でもよ?」
「…やだ…聞きたくない…」
「…理世…何言ってんだ?」
「別れたいっていうのは…嫌だ…」
「…俺が?」
「離れたくない…」
「離さねぇって…そこは心配するところじゃねぇ…」
「…ッッ」
「いってもよ、俺のが今まで寂しい思いさせてきてんだ…特定の人間だけなら問題ねぇ、って思いてぇ…」
「…悟浄…?」
「でも…なんで三蔵なんだって思うだけ…しかも…あいつもあいつだ…」

いつの間にか怒りを通り越して悟浄の中では嫉妬に変わっていた。自分自身には出来ないこと…それに三蔵が関わっている…

「いつだってそうだろうが…前の時も…今回だって…」
「前…ッッ」
「雷で怖がってる理世の隣にいたのも三蔵…今回も特別な仕事の中で隣にいたのも三蔵だ…いつだって俺の横に居てほしいのによ…クソだせぇ…守るとか…傍にいるって言っておきながら…」
「…ご、じょう…」
「それ紛らわすのに…抱こうとか…それこそ…だせぇ…」

キュッと抱きしめる腕。その腕に理世も縋りつくように巻き付いていった。
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