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緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第30章 花贈~hana okuri~


夕食の時だ。

「…悟浄、いきなり不機嫌じゃね?」
「べっつにぃ?」
「あの、悟浄?本当に大したことじゃないと思うよ?車に三蔵と二人でのって、同じ部屋で寝るだけでしょ?何も抱かれたりとかはないわけだし!」
「あってたまるか!」
「フン…」
「まぁまぁ」
「三蔵はベッドで寝てくれたらいいし!」
「いくら理世でも床では寝させられるか。」
「でも、ツインでは寝れると思うよ?」
「そうかもしれねぇけど…」
「まぁまぁ、たった二日、違う部屋なだけですよ」
「…そうかもしれねぇけどよ…」

不貞腐れたように見えるその顔を見ながらも理世もまた、小さくため息を吐いた。

「…ハァ…大丈夫だよ、相手三蔵だし…」
「だからだろうが」
「…え?」
「手ぇ、出すなよ」
「あいにく人の物に手を出す趣味はねぇよ」

そう言いながらも三蔵は視線すら送ることも無いままに煙草をふかしだす。

「でもさ?巫女の格好ってどんなんだろうな」
「巫女ってくらいだから、神社とかにいるような、赤と白の着物だと思うけど」
「そうですね、恐らく露出も少なく、問題は無いと思いますが…」
「私も三蔵の正装は初めて見るから楽しみ」
「何も出ねぇよ」
「出なくてもいいの」
「フン…」

食事も終えて、それぞれ個室に通された。ベッドに身をゆだねれば前三日の野宿の事もあっていつの間にか意識を手放していた。ーーーー

翌朝…花贈の準備が始まる。場所を移動して身の清めから始まり、着替え迄手伝ってもらう事になる。その間、悟浄や八戒、悟空は街の住民と同様に会う事は出来なかった。そんな中、着替えに移っていく理世は驚きを隠せなかった。


「…あ、の…・・服って…コレですか?」
「はい」
「あの、もう少し…その…厚手の物って…」
「ございません。花贈の巫女様の衣装はこちらでございます。」
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