第29章 ハジメテの感覚
「ごじょ…ッなんで…」
「いろいろと甘いんだっつぅの…」
背中から腰に手を回せば奥まで押し込んでいくのを助けるかの様に密着させていった悟浄。
「ほんとは…最後まで抱かれてみるのもいいかと思ったけどよ…かわいすぎて無理だわ」
「ずる…ッンァ…」
「ほら、足、伸ばせば?」
座位の形に自然に促す悟浄。そのまま抱きかかえられるようにして理世は悟浄の首に巻き付いた。
「…ン…ンァ…」
「こんなイイ声…耳元で聞けるなんてサイコーだろ…」
「悟浄…ッ…気持ちぃ…?」
「あぁ…ッ」
そのまま卑猥すぎる水音も部屋に響く中、時間も忘れて二人は抱き合い、ぬくもりに溺れていくのだった…ーー
***
その頃の他の三人はといえば…
「なぁなぁ!!せっかく悟浄の誕生日だってのにお祝いしねぇの?」
「んー、それもそうなんですがねぇ…」
「放っておけばいいだろう」
「放ってって…でも三蔵!」
「今頃はきっと、理世からたっぷりとプレゼントいただいてるでしょうし?」
「え、プレゼント?!いいなぁ」
「間違ってもあっちの部屋に行こうとかは考えるんじゃねぇぞ?」
「え、なんで?」
「なんでって…そりゃ…まぁ、」
「悟浄に恨まれるだけならまだしも、理世に嫌われるぞ」
「…・・それは嫌かも…」
「なら変な気を起こすんじゃねぇよ。」
「まぁ、僕らからのお祝いはいつでもできるでしょうし。それに、僕等だけでご馳走食べてしまってもいいんじゃないですか?」
「え、いいのか?!」
「フン…好きにしろ」
そうしてこちらの三人も主役不在の誕生日会を開くことにするのだった。