第27章 ぶつかる本音
唇のすぐ隣にキスを落とし、頬へとキスは移っていく。
「…なぁ、理世」
「何?」
「シてくれねぇの?」
「どこに?」
「んー?唇」
「わざとだよ?」
「…てめ…」
瞼、頬へとキスをするものの唇へは移らない理世の唇。じっと見つめならも距離を詰めていく理世だったもののちゅっと軽く触れるだけのキス。
「…クス…」
「これでいい?」
「いいと思ってんの?」
「…クスクス…」
「笑ってごまかしてんじゃねぇよ」
「だぁって…」
「焦らしすぎだっつぅの…」
するっと理世の後ろ首に手を回せば引き寄せてようやくその唇は重なり合った。
珍しく理世から舌を差し込めば悟浄もそれにこたえる様にしてゆっくりと絡めていく。唇が離された後も舌先は触れ合っていた。
「…エッチ」
「理世もな?」
「悟浄のが移っただけ」
「そ?いい事じゃねぇの」
「このままじゃ『エロ理世』って呼ばれそうでヤダ」
「いわれねぇだろ」
クツクツと笑いだす悟浄をみて理世はぷぅっと膨れて見せる。
「…五人の中でエロ担当はお任せします」
「ま、俺はずっと言われてっからなぁ…」
「でしょ?」
「それに…」
よっと体位を変えれば理世を組み敷く形に変えれば悟浄は見下ろしながらも続けて話す。
「理世も俺にだけエロでいてくれたらそれでいいんじゃね?」
「おしとやかになりましょうか?」
「戻れねぇだろって…」
そう言いながらもゆっくりと唇を重ねた悟浄だった。