第25章 手放したくないのは…
♢ Side 理世 ♢
本当はずっと夢見てた。これがパラレルなのか、転生なのかわからない中でも、『前にいた世界』の中で自分よりも若い子だったり、同じくらいの年の子だったり…
結婚するんです!
婚約しました!!
彼氏とデートで…!
そんな風に話している子たちがどことなく羨ましかったのかもしれない。だから、悟浄とセフレじゃなくなって…付き合えるって…恋人同士になれるって思った時には本当にうれしかった…
なのに…どうしてこんな些細なことで喧嘩しちゃうのだろうか…自分自身の部屋にこもって、膝を抱える…バカみたい…
こんなことなら…セフレのままのがよかったのかもしれない…
そんな風に思っても見ちゃう自分自身が嫌だ…好きだから離れたくないって思ったり、でも喧嘩なんかしたらセフレのがよかった…なんて…
「わがままだよね…本当に…」
そんなだから悟浄にも飽きられちゃうんだ…
私は変われたと思っても…何も変われてない…
臆病で…ずるくて…
それなのに…悟浄にばっかり八つ当たりして…本当に……
「もぉ…やだ…」
いつからだろう…悟浄に甘えて…悟浄の事に嫉妬して…他の人に触れてほしくなくて…
それなのに…
自分は…
三蔵と途中までした…
こんな浅はかで…『抱いてくれるならだれでもいい』みたいになる女…
いくら悟浄でも嫌気さすよ…
あんなにまっすぐに…気持ちさらけ出してくれるのに…
どうにもならない位に…私悟浄に惚れてる…