第24章 金色の温もり
ふっと笑う表情も理世には珍しく思えた。
「三蔵も…笑うんだ」
「ぁあ?何言ってんだ…」
「だって…」
不思議と雷がなる音すらも気にならなくなっている理世に三蔵も気づいている。
「…だって、なんだ?」
「三蔵が笑うとかって…あんまり見ないから貴重だなって思ってて」
「貴重とか人をなんだと思ってやがるんだ」
「…んー、生臭?」
「そこで止めるな」
「でも、」
「まだ何か言いたいのか…」
そういわれれば少し考えるそぶりを見せる理世。そんな理世を他所に三蔵はソファから立ち上がり、理世の前に立てば、理世の両足を割り間に自身の膝を入れソファに片膝をついて壁ドンの状態の距離に詰める。
「…三蔵?」
「言っておくが、俺も一応男だ」
「……うん、そうだよね?お坊さんだし」
「そうじゃねぇ」
そういえば左腕は壁に付いたまま、右手で理世の顎をくいっと持ち上げる。
「…お前…理世位なら簡単にねじ伏せれるって事だ。」
「ねじ伏せる気ないくせに」
「…どうだかな」
「・・三蔵?」
ゆっくりと唇を奪っていく三蔵。体を押し戻そうとするものの理世の力はたかが知れている。
「…ン…まって…」
「断る」
「…待って…三蔵…ッッ!」
「フ…こんな時にあのバカの名前でも呼べば止めてやろうとも思ったが…気が変わった。」
するりと頬に手を滑らせ、首筋をぺろりと舐める三蔵。
「…心配するな、痕なんざ付けねぇから」
「…そうじゃ…ない…ッッ」
「ほぅ…?」
そのままローブの肩口に手がかかりそっと鎖骨部分に触れた三蔵の指にピクリと体の反応を示す理世。三蔵の口元がゆるりと緩んだ所で再度唇を重ねた。