第21章 battle17…月光
雅が出て行くのと同時に三人もホールを後にする。それじゃぁ…と言いながら部屋に別れていく。悟空が部屋に戻ったのを確認して悟浄は八戒の部屋に入っていった。
「どうかしましたか?」
「『どうかした』じゃねえだろ…」
「……雅の事ですか?」
「あんなんさ…三蔵の事だろ…」
「そうですね。恐らく間違いなく。」
「三蔵が雅に言えば雅の記憶、戻るってことだよな。」
「そうだと思います。でも…」
「でも?」
「菩薩さん…なんで雅の記憶消さなかったんでしょうか…」
「さぁな。それは知らねえけどよ」
「けど?」
「……あのバカみたいな力といい…なぁんか初めっからあの菩薩サマの手の内に居たみたいな気がしてなんねえのよ」
「…それは致し方ないことじゃないでしょうか。」
「んぁ?」
「言ってたじゃないですか。西の異変の影響が強くなるからって。それに諦めるなって、だとするとわざと離して力を上げる為、何て事も考えられますね」
「回りくどいことするねえ…それが原因で三蔵少しの間めっちゃ不機嫌だったぜ?」
「そうなんですけどね?それに鍵の事に関しても雅自身が菩薩に何らかの形で聞いたって言うのが一番考えやすいことでしょうね。」
クスクス笑い合いながら二人はふぅっとため息を吐いた。
「どちらにしても内容は三蔵に話しましょう?」
「だな。」
「それで三蔵がどう出るのか…」
「もしそれで何にもせずにこの街出たらどぉすんだよ」
「それは…その時です」
「…マジか…」
「えぇ。それこそ仕方ありません」
そう話していた。
「それで、主催者本人が伝えに行かれますか?」
「…ま、それが良いだろうな」