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凜恋心 ♢ 転生編 ♢

第15章 battle14…懐かしい空間


そう呼び捨てにした雅。ペコリと慧攔に頭を下げる八戒と気にも止めない様子の三蔵。そのまま離れていく三人。

「……マジかよ…」

そう項垂れてとぼとぼと反対に歩いていく慧攔。後ろをチラリと見てほうっとため息を吐いた時だった。

「…おい」
「え…あ……ごめんなさい、三蔵さん…ですよね…巻き込んじゃって……それにいきなり呼び捨てにして…」
「…チッ…」
「どうして三蔵だと?」
「昨日話してるの聞いて……」
「なるほど」

急いで絡ませていた腕をほどく雅。申し訳なさそうに頭を下げた。

「いえ、僕達も丁度買い出しの途中だっただけなので…」
「変なことに巻き込むんじゃねえよ」
「…ごめんなさい…」
「タク…」
「あの方が慧攔さん、ですか?」
「知ってるんですか?」
「いえ、昨日あなたの働いてる食堂で出会った人に聞いたんですよ。遊びでもいいから付き合いたい女性がたくさんいるそうですが?」
「…そうなんだけど……私はちがくて…あ、それよりも…ありがとうございました。」
「俺達が通らなかったらどうするつもりだったんだ…」
「えと……それは……」
「まぁまぁ、三蔵?丁度いいので本当に用事、作っちゃいましょうか?」
「…え?」
「おい、八戒」
「いいじゃないですか。宿で待ってる二人もいることですし?」
「それ……迷惑じゃないですか?」
「ぜーんぜん。ね?三蔵?」
「……めんどくせえ」
「あ、そうですよね…」
「雅さん?三蔵のコレ、『ようこそおいでくださいました』って意味ですから、心配しないでください?」
「……誰がそんなこと言った」
「あれ?違いました?」
「クスクス…」
「おい、お前はなんで笑ってる」
「…いえ…ごめんなさい…ただ…クスクス…」
「お茶くらい、してから行きましょうか?」
「…でも…後のお二人待ってるんじゃ…」
「そのくらいの寄り道なら大したこと無いですよ。」
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