第14章 battle13…再会
店の遠くの方で聞きなれた声がした。
「あ!!姫居んじゃん!」
「おーい!!姫!」
隣のテーブルの男達が手を振る。パタパタと近付いてくるとその姫と呼ばれた女性は少しムッとした様子で話し出す。
「もう!その呼び方やめてって言ってるでしょ?しかも他のお客さん達居る中で!!」
「だってそうでもしなきゃ来てくれないでしょ?」
「嫌でも店内うろうろしてますから!!」
「な?…怒るだろ?」
「え……っと…」
一行は無言になった。それもその筈、目の前に居たのは探し、会いたくて仕方の無かった雅本人だったのだ。
「あ、お客さん…済みません、いらっしゃい」
にこりと笑うその顔はあのときから全く変わっていなかった。
「今さ、雅ちゃんの事話してたんだよ。」
「変なこと言ってないでしょうね!」
「姫って呼んだり?」
「それが変なこと何だってば!!もう…」
「あの…」
「あ、はい、ご注文ですか?」
「いえ…」
「お姉さんさ、名前は?」
「え、私?」
「…そ、名前!かわいい子の名前は知っておきたいんだよね」
「雅って言います。花洛雅、あなた達は?旅の方ですか?」
「えぇ。」
「なぁ!みや『あ、蚊がいた』……ッッてぇ!!」
「どうぞごゆっくりとしていってくださいね?」
笑って去っていく雅。悟空が名前を呼んでしまいそうになったのを悟浄は止めた。
「ま、今日も姫見れたし。飯も終わったし!またな!」
「ありがとな☆」
そういって別れていった。
「なぁ、あれ!!間違いなく雅だろ?」
「そうですね」
「やぁっと、見つけたな。」
「……」
「三蔵、どうされますか?」
「向こうは全く覚えてないんだろ?」
「そのようですね…」
「でも、!!雅見つけたじゃん!!」
「どうすっかね……」
そう話しながら食事を済ませていったのだ。