第11章 battle10…苛立ち
雅と離れてもう四ヶ月が過ぎようとしていた。
「……」
「最近さらに三蔵…機嫌悪くねえか?」
「行く先々で聞いていても雅の欠片すら拾えませんからね……」
「それもそうだな…」
「今ごろ…元気かな…雅…」
そんなことを話している。立ち寄る先は大きな街が続いているものの、雅の情報は全くと言っていい程つかめない。
「ねぇ三蔵?」
「…なんだ…」
「このまま出会えなかったら…どうします?」
「言っただろうが、俺は諦めは悪い方だと…」
「えぇ、確かにそうなんですけど…」
「もしかして、俺たちが過ぎてきた街に一歩遅くて雅いたらどうする?」
「…それもあり得る話ですね…」
「それでも俺たちは西に向かう必要がある…」
「そうなんですよね…確かにそうなんですよ…」
「であったのも偶然だったから。次会うのも、会えねえのも、運任せじゃねえのか?」
そういう三蔵。しかし、誰よりも納得のしない言い分だった。
「でもさ…三蔵?」
「……悟空、話しはそれくらいにしておいて方が…」
「え?」
「……チッ…」
そう、フワッと風が一瞬変わった。その次の瞬間だ。
「久しいな…玄奘三蔵…」
「紅孩児!!」
「おいらもいるぞ!」
「てか、いきなり来んのな…」
「…全く……」
「…?」
「あれ、雅いないじゃん?」
そう言い放ったのは李厘だった。