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ツンデレ王子と腹黒王子

第10章 本当は


翌日。

朝のHRが終わった。

昨日色々あったけど、普通でいよう。

いつも通りに、悟られないように。

でも、昨日は眠れなくて、すごく眠い。

やばい、授業寝そう。

だが昼休みまで頑張れ俺。

その時に寝ればたくさん寝れる。

俺はそう思っていた。





昼休み。

俺は早速机に伏せ寝ようとした。

楽園だ。

授業寝るの我慢してきた甲斐があった。

そうして、うとうととしてきた時。


「おーい三好」


名前を呼ばれゆっくりと体を起こし、声のした方を見た。


「呼んでる」


クラスメイトが指差したのは、多分隣のクラスの男子。

名前は知らない。

本当は行きたくないが、仕方なくそちらに歩を進めた。


「あの、何か」

「あっちで、話そう」


そう言って手を引かれ、人気のない階段下に連れてかれた。

ここは滅多に人がこない。

何か秘密の話でもするのだろうか。


「あ、あの…」

「三好くん、俺と付き合ってくれ」

「は!?」


男の、俺の手を握る力が強くなる。


「いたっ…」

「俺ね、君を見てると堪らなくなるんだ。この手でめちゃくちゃにしてやりたいって思うんだ」


何言ってるんだこいつ、頭大丈夫か。

俺はその手を振り払おうとするが、更に強く握られた。


「痛いって…離して」


やばい、この状況本当にやばい。

何とかしないと…。

男の目を見ただけで、こいつが本気だと言うことがよく分かる。

体が震えた。

壁に追いつめられ、身動きがとれなくなる。

そして何の躊躇いもなく、唇を重ねた。


「んー!」


嫌だ、気持ち悪い。

唇を離し、男はニヤリと笑った。


「口開いて。いい刺激を与えてあげるよ」


そしてまた長い時間唇を重ねる。

息が、続かない。

空気がほしいけれど、口を開けたらきっと舌が入ってくる。

それだけは絶対に嫌だ。

でも、もう…無理…。

空気を求め、口の端を少し開いた。

が、男はそれを見逃さず、一気に舌を入れてきた。
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