第7章 優しさ
「んっ!?」
少し離してはまた口付け、どんどん深くして行く。
息が苦しくなり、息を吸おうと口を少し開くと、そこから容赦なく舌が侵入しきて、俺の舌を絡め取る。
「ふ…ぁ…」
これ以上、流されちゃダメだ。
抵抗しないと。
早く、押し返さないと。
そう思うけれど、体に力が入らない。
野木は唇を離し、指先で俺の首筋に触れた。
「この跡、俺ので上書きしてもいいか」
「え……っ!」
野木が顔を俺の首筋に埋めたとき、ピリッとした痛みが一瞬走った。
反対側の首、そして鎖骨と、次々と跡を残していく野木。
「は、ぁ…んっ」
奴の唇が俺の肌を這う度、甘い声がもれる。
野木は俺のシャツを脱がせ、胸の突起を口に含んだ。
舌で転がし、弄ぶ。
「や、ん…ふぁ…あっ」
とめどなく声がもれ、羞恥が湧き出てくる。
だけど、抵抗出来ない自分がいて、全て奴に委ねようとしていた。