第1章 始まり
何気に初めての高校生活。
それに2年からだから不安もある。
友達、出来るだろうか。
「嫌だな…学校」
「貴夜兄、学校嫌なの?」
突然後ろから声が聞こえ、驚き振り向く。
そこに立っていたのはいづみと姫果だった。
「お前ら、今日は二度寝しないんだな」
この2人はいつも二度寝するから早目に起こしている。
が、今日は想定外だ。
しかもぽろっと出た本音を聞かれる何て、最悪。
「うん、だって貴夜兄今日から朝早いんでしょ?」
「僕、ご飯は皆で食べたい」
その言葉に思わず笑みがもれた。
やはり家族とは、温かい。
居心地がよくて、帰って来たいと思えるのは家族だけだと思う。
俺は2人の頭をくしゃりと撫でた。
「皆で、食べよっか」
まだ少し早い朝。
だけど、皆で食卓を囲んだ。
楽しく会話をしながら、ご飯を口に運ぶ。
この幸せな時間は、
俺の宝物。