第1章 始まり
俺たち三好家は、5人兄弟。
長男の俺、貴夜、次男の貴文、長女の朝妃、次女のいづみ、そして三男の姫果。
普通に仲のいい兄弟だと思う。
両親は5年前に他界した。
母親は姫果を命懸け産み、そのまま命を落とした。
その後父親は重い病気にかかり、あっと言う間に2人とも逝ってしまったのだ。
暫くは親戚の家に世話になっていて、とてもよくしてくれた。
だけど、兄弟が多いから色々と迷惑もかけた。
多分、お金も沢山かかったと思う。
ある日親が俺の為に貯金してくれていたことを親戚から教えて貰い、そのお金で俺は家族を支えて行こうと決めた。
親戚の家を出て、数年前まで両親と住んでいた家に兄弟で戻って来た。
その頃、俺は15歳。
中学を卒業して、もう高校生になる時だった。
が、高校など行っている暇などない。
いくら親がお金を貯めていてくれたからって、生活は厳しいのは変わりない。
親戚も月に一度生活費を送ってくれていたがそれでも厳しかった。
だから高校は行かずに、夜、バイトをしていた。
だけどそんなある日、親戚に高校に行くことを勧められた。
学費などのお金も出すと言ってくれて、頼るのは気が引けたが、甘えることにした。
高校は、バイト先の友達が通っている男子校を受け、無事受かった。
そして今日から、高校生活がスタートするのだ。