• テキストサイズ

ツンデレ王子と腹黒王子

第6章 冷静に


「貴夜兄、いる?」


ドアの向こうから、控え目な声が聞こえた。


「朝妃か、どうした?」


ベッドから降り、ドアを開ける。

朝妃を中へと促し、とりあえず椅子に座らせた。


「あのね、金曜日は貴夜兄忙しそうで言い出せなかったんだけど、次の土曜日、授業参観があるんだ」


そう言い、朝妃は持っていた紙を俺に手渡した。

そこには授業参観のことについて書かれており、最後の文になるべく来てほしいと書かれていた。

壁にかかっているカレンダーに視線を移す。

その日は、バイトは入ってるけど夜だし、日中は特に予定も入っていない。


「大丈夫、行けるよ。朝妃があるってことはいづみもあるんだな」


そう言うと、朝妃は目を輝かせ頷いた。

大人に紛れて行くのは少し抵抗はあるが、そんな眼差しを受けたら行かざるおえない。

朝妃は「ありがとう」と満面の笑みで言って部屋を出て行った。

些細なことであんなに喜ばれてしまったら、もう何も言えないな。

机の上に紙を置き、再びベッドに倒れこんだ。

そしてすぐに、眠りに落ちた。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp