第2章 出会い
午後11時、帰宅。
家の中は暗く、皆寝たようだった。
リビングに行き電気をつけソファに腰をおろす。
そこで大きなため息をついた。
「疲れた…眠い」
そう呟き横になる。
今日は色んな事があったな。
初めての高校、ちょっと不安だったけど何とかやって行けそう。
友達もちゃんと、出来るよな。
瞼が段々重くなってくる。
寝ちゃダメだと思いながらも、睡魔には勝てず、俺はそのまま眠ってしまった。
「…や兄………かや兄…………………貴夜兄!!」
「んぅ…?」
目を開けると、そこには貴文の顔があった。
あれ、何で俺リビングに…。
あぁそっか、寝ちゃったんだ、俺。
「もう朝だよ。それに、こんなとこで寝ちゃ風邪引くよ」
重い体を起こし貴文の顔を見る。
「あぁ、悪い。…今何時?」
「5時半過ぎ」
時計をチラリと見て欠伸をした。
ソファに寝たからか体が痛い。
ぼーっとしていた頭も段々ハッキリしてきて思考が回り始める。
「あー、今飯作るから」
立ち上がりキッチンに向かおうとしたが、それを貴文に止められた。
「今日はご飯俺が作るから、貴夜兄は風呂でも入って来なよ。ちょっと香水くさいし」
そう言われ、服の匂いを嗅ぐ。
確かに香水の香りがする。
俺は貴文の言葉に甘え、風呂に入ることにした。