第2章 出会い
まずい、さっきの反応とか聞かれたかな。
俺は思わずうつ向いた。
「三好くん」
「は、はい?」
若干声が裏返り、羞恥がわき出てくる。
またうつ向くと、頭上から笑い声が聞こえてきた。
顔をあげると、野木隼人が笑っている。
「そんなに緊張しなくていいのに」
そう言われ、顔が熱くなった。
別に緊張はしていない。
心の中で反論した。
「先生から話は聞いたみたいだね。俺が世話係だから、よろしくね」
また、先ほどの笑顔を見せる。
やっぱり、何処か影がある。
何か、こういうの気にくわない。
俺は思わず顔を背け、冷たく返事をして野木隼人の横を通りすぎた。
席につくと、野木隼人も座っており、俺の反応に関しては特に何も思っていないようだった。
その時丁度チャイムが鳴り、先生が入ってきて授業が始まった。