第2章 出会い
「三好貴夜くん、だっけ?」
「そう、だけど…」
「俺は平島翔平(ヒラシマショウヘイ)。隣の席だし、仲良くしような」
笑顔が、輝いて見える。
後ろに薔薇が咲きそうな、つまりイケメンだ。
顔も整ってるし、座っているからよくは分からないが多分身長も高い。
よくよく見てみると他の生徒もレベルが高いように思える。
「てゆーか貴夜くん、綺麗な顔してるね」
あんたに言われたかない。
と、心の中で言いながらも笑顔を見せた。
「そんなことないって。平島くんの方が綺麗な顔立ちしてるよ」
そう言うと、彼は困ったように笑いながら頬をかいた。
「まぁよく言われるけど…。俺よりいい男何てこの学校に何人もいるよ。特にあいつ」
平島くんの指をさした方向を見る。
「野木隼人。我らが委員長だ」
椅子に、姿勢正しく座っている野木隼人。
その凛々しい横顔は、誰が見ても見とれるほどだった。
あれが、委員長。
「どんな人?」
「んー、一言で表すと、すっげー『イイ人』かな」
イイ人?
お人好しってことなのだろうか。
「あ、お人好しってことじゃないんだよ」
俺の考えを読み取ったのだろう。
慌てたようにそう言った。
「あいつは、皆から好かれてて、頼りにもなるし優しいし、それにイケメン。男からも女からもモテるんだよ」
男からも?
その単語に疑問を持ったがスルーした。
「それに…。あ、委員長が喋るぜ」
平島くんが前に視線を戻す。
俺もそれにつられて前を見る。
視線の先には野木隼人が立っていた。