第2章 出会い
「三好貴夜です。よろしくお願いします」
そう言うと、拍手が巻き起こった。
その反応を見てほっとする。
一応、歓迎はされている、のか?
生徒の表情を見ても殆どの人が笑顔だ。
「じゃあ三好君の席は、あそこで手を振っている子の隣ね」
一番後ろの席で元気よく手を振る1人の生徒。
俺はそこに向かって歩き出した。
周りの視線がこちらに向く。
ヒソヒソと話す声も聞こえる。
特には気にせず、俺はさっき手を振っていた生徒の隣の席に腰をおろした。
そして朝礼が始まる。
席の場所は窓側の一番後ろ。
いい席に座れた。
俺は何気なく外を見る。
ここは、4階建ての校舎の2階。
景色はまぁいい方だろう。
暫く外を眺めていると、肩を横からとんとんと叩かれた。
横を向くと、さっき手を振っていた生徒がニコニコしながらこちらを見ていた。