第12章 番外編【貴夜に出会うまで】
翌朝。
学校に着き、いつも通り席につく。
「おーっす隼人」
寄ってきた友達と話をしていると、いつの間にかチャイムが鳴り、朝礼が始まろうとしていた。
だがまだ先生は教室に来ていない。
転校生の相手でもしているのだろうか。
徐々に生徒もざわつき始め、落ち着きがなくなってきた。
男子校に来て分かったこと。
それはまだまだ男子はガキだと言うことだ。
確か、男子の精神年齢は本当の年齢の2,3歳下だとか何とか。
まぁそれも、分かる気がする。
「皆、お待たせ」
先生が慌ただしく教室に入って来た。
私語をしていた者も前を向き夏目先生に視線を向ける。
「えー、突然ですが、今日は転校生を紹介します」
再びざわつく生徒。
まぁ何気に転校生なんて初めてだから嬉しいんだろうな。
「じゃあ三好くん、入って来て」
さて、俺が世話するのはどんな奴なんだ。
まぁ別に、どんな奴でも構わないが。
数秒してから、1人の男子が教室へと入ってきた。
俺はその姿に、目を奪われた。
綺麗な横顔にいいスタイル。
歩く姿も可憐で、胸が高鳴った。
男子は立ち止まり、俺たちの方を見る。
「三好貴夜です、よろしくお願いします」
顔も、声も、肌の色も、細い体も、全てが好みだった。
全て自分のモノにしたい。
そんな独占欲があふれでてくる。
こんな風に思ったのは初めてだった。
もう恋なんてしないと思っていたのにまさか、一目惚れしてしまうとは。
間抜けな話だとは思う。
だけどこいつと出会って、俺の中の何かが変わった。
貴夜のおかげで、また恋をすることが出来たんだ。