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ツンデレ王子と腹黒王子

第11章 番外編【おばあさんの家】


おばあさんの家に入ると、綺麗に整頓されていて居心地がよかった。

それに、結構涼しい。


「好きに使ってもらっていいから。私はお仕事してくるわ」

「あ、俺も手伝いますよ」


貴夜兄はおばあさんにそう言うが「いいから」と断った。


「家族との時間を大事にね」


そう言っておばあさんは外に出て行った。

いいおばあさんだなぁ。

俺は出されたお茶を飲み、ため息をつく。

何て美味しいお茶。

いくらでも飲めそう。


「いづみと姫果寝ちゃってるよ…」


貴夜兄は苦笑いを浮かべ、持っていたうちわで2人を扇ぐ。


「疲れちゃったのかな…」


朝妃の方に目をやると、朝妃もうとうととしていた。

これは、俺も寝た方がいいのか?


「あー、何か俺も…」

「貴文は寝るな」

「えっ」


気を遣っているのがばれたのかな。

いや、貴夜兄がそんなに鋭いわけがない。


「お前が寝てしまったら、俺が死んでしまう」


貴夜兄がそう言う後ろで、隼人さんがニヤニヤしていた。

それで合点いき、俺は思わず笑ってしまった。


「もう、貴夜兄大袈裟に考えすぎだよ。こんな身内がいる中で変なことしないって」

「それが、こいつはするんだよ!春樹は知ってるからまだいいけど、春樹の前でキ、キスとかしたんだぞ!」


それには流石に驚く。

独占欲がすごいんだな、きっと。


「だから、絶対に寝るな!」

「そんなに人前でキスしてほしいならしてやる」

「はぁ?そんなわけ………んっ!」


隼人さんは、貴夜兄の言葉を遮る形で口付けた。

うわ、生で初めて見た。

ちらりと横を見ると、3人とも眠っていて少しほっとする。


「ん…ぷはっ………お前、本当馬鹿だよな、一回死んでこい!」


そんな貴夜兄の罵倒も嬉しそうに受け止める隼人さん。

もしかしてこの人Mなのか?

貴夜兄も顔真っ赤だ。

俺はため息をつき、何だかんだ仲が良さそうな2人を見て安心した。

でもそう見えるのは、俺だけなのかな。
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