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ツンデレ王子と腹黒王子

第11章 番外編【おばあさんの家】


「着いた…」


俺は家を見上げ呟いた。

貴夜兄は玄関の扉を開け、中に呼びかける。


「すいません、おばあさん。貴夜です」


すると、足音が聞こえ、出てきたのはひとりのいい感じのおばあさん。


「貴夜くん久しぶり、待ってたわ」

「お久しぶりです。あ、おばあさん、俺の家族です」


おばあさんが俺たちに笑いかける。

俺はお辞儀をして軽く名前を言った。

皆の自己紹介も終わり、おばあさんは「もう少し掃除をしたいから」と言ってしばらく外で待機となった。

何はともあれ、いい人そうでよかった。

1日しか泊まらないけど、楽しくなりそうだな。


「うわぁぁぁぁ!」


突然後ろで叫び声がして振り向く。

叫び声をあげたのは貴夜兄で、その理由は直ぐに分かった。


「何でお前がここにいるんだよ、野木!」


隼人さんは後ろから貴夜兄に抱きつく形でホールドしている。


「だって今日はもともと俺とのデートの日だったじゃないか」

「お前が勝手に決めたんだろ!つか暑いから離れろ!」


想像以上の嫌がりっぷりだな。


「つか、何でここにいるって分かった」

「あ、俺が言った」

「貴文!」


怒られるかなとは思ったけど、楽しいことをより楽しくするのは悪いことじゃないよね。


「だって、貴夜兄、その方が嬉しいかなって思ったんだもん。まぁ堂々とは色々出来ないと思うけど…」

「ちょ、ちょっと貴文来い」


貴夜兄は俺の腕を引っ張り皆から少し離れた場所に連れ出す。


「俺さ、お前に言ったっけ、その…あのこと」

「どのこと?」


まぁ聞きたいことは分かってる。

が、あえて気づかない振りをしよう。


「えっと、その…俺と野木が、その、付き合ってるってこと…」

「あぁそれ、俺が教えた」


貴夜兄の背後で聞いていた隼人さんが言った。
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