第1章 始まり
春樹と出会ったのは、バイト先でだった。
同い年と言うこともあってかすぐに仲良くなれた。
色々仕事も教えてもらったり、色々優しくしてくれたりと、本当にいい友達を持ったと思う。
ちょっと軽い性格ではあるが。
「あ、そーだ。ちなみにこの学校バイト禁止だから」
「え…じゃあ、どうすんだよバイト。見つかったらヤバいだろ?」
「うん、ヤバいね」
何でそんなに軽いんだ。
いや、俺が考え過ぎなのか?
俺が余程不安そうな顔をしていたのか、それを和らげる様に俺の背中を軽く叩いた。
「大丈夫だって。気を付けてやってればばれないよ。現に俺だって今の今までばれたことないし」
その軽い口調に今は安心させられる。
俺は春樹に笑顔を見せた。
「だよな、ありがと」
春樹は一瞬驚いたようにしたが、何故か頬を赤くして俺を見る。
「春樹、どした?」
「…いや、何でもない」
春樹は顔を背け少し前を歩いた。
変なの。
俺はそれ以上そのことには触れず他の話題で盛り上がった。
そしていつの間にか、職員室前へとやって来ていた。