【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第15章 自殺か他殺か
「それでも犯人が分からない?」
「‥‥はい」
香織の問に敦は首を横に振る。
「それじゃ、パンケーキを食べ終わったことだし犯人のところへ行こっか」
会計を済ませて、屋敷へと戻る。
インターホンを押して、八重がドアを開ける。
香織は八重に耳打ちのするような仕草を見せて、敦を殺人事件が起こった部屋に連れて行く。
しばらく経つと部屋に入って来たのは麻友、光輝、栄輝、双喜、八重だ。
「八重さん、ありがとうございます」
「いえ‥‥」
どうやら香織は八重に四人を部屋に連れて来ることを頼んだのだろう。
「犯人が分かったって本当かしら?」
「はい」
「いいからさっさと言ってくれ」
双喜が急かすように言う。
敦は緊張してゴクリと息を呑む。
香織は移動して、本棚へと足を運ぶ。
一つの本を取り出して、その頁を開く。
本に挟まれていた紙を取り出して、香織はその紙を見る。
「やっぱり」
独り言を呟いてから香織はその紙をみんなに見せる。
「犯人は−−」
「このバースデーカードに書かれた人達です」