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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第15章 自殺か他殺か







「駄目だ。分からない」

敦はそう言うと椅子にもたれかかり、香織はその隣でパンケーキを頬張る。
聞き込みをし終わった二人はカフェに入って、休憩をしているのだ。

「美味しい!これ美味しい!!」

悩んでいる様子がない香織に敦は不思議に思う。

「如月さんは事件について何か分かったのですか?」

「ん?分かったよ」

「本当ですか!?」

「うん、結論から言うと自殺に見せかけた他殺」

「じゃあ誰が犯人なのかも‥‥」

「大体は」

聞き込みをしても敦には分からなかった。
バンと両手を机に置いて敦は香織に聞く。
パンケーキを食べ終わった香織は紅茶を一口飲んでから口を開く。

「敦君、現場の状況と証言を思い出してみて」

渡辺健二がいた部屋では金庫や本棚、机と椅子があった。
恐らく執務室として使っていたのだろう。
本棚にはずらりと本が並べられ、一冊だけ逆さまに入れられた本があった。





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