【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第14章 華麗なる幕引きを
「私には一変の光が無かった。でも、今日分かった。私にも選択肢は有ると、命を犠牲にしてみんなを助ければきっと私は入社試験に合格できる。本当の探偵社員になれるなら、何も惜しくはない」
「やめるんだ!!」
「敦君、私も残る!」
「そんな!!」
「私!探偵社員なのに全然みんなの役に立ってない!組合に拉致されて、このまま逃げたくない!」
敦は何か言いたげだが芥川に強引に連れ出され、白鯨から脱出した。
「あなたも逃げて」
「私の熱烈な演説が響かなかった?」
機械をガチャガチャといじり、コントロールを取り戻そうとする。
「鏡花ちゃんは凄いね、命を犠牲にして探偵社員になるなんて、探偵社の鏡だよ。私には出来ない」
「でも、そんなこと言ってられない。年下の子が頑張っているんだもん、私だって命を捨てる覚悟をしないとね」
「お姉さん!!」
「ごめん、通信切るね」
スイッチを押して、香織は通信を切った。
香織は不意にこう思った。
(仮にコントロールを取り戻したら鏡花ちゃんは探偵社員になれない?)
「てことは、私は何をやれば?」
「・・・」
香織は頭を抱えて崩れる。
しかし、それは短時間で解決した。
「そうだ!念には念を入れて爆弾を付けて町まで届かないようにする」
(これだ!これしかない!)
白鯨の全体が書かれた内部図が表示される。
爆弾庫という部屋があり、そこには使用されていない爆弾がある。
それらはボタン一個で爆発出来る。
(鏡花ちゃんが乗ってる無人機とぶつかった瞬間に押せば‥‥)
そして、その時はやって来た。
無人機と白鯨がぶつかり、香織はボタンを押した。
ヨコハマの港では燃え上がる白鯨が海に落ちている姿が見える。