【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第13章 ティーパーティー
「んん、寝ちゃってた」
ソファーで寝落ちした香織は先程見た夢を思い出す。
夢の内容は、6年前に起きた亜鬼薬事件後のことだった。
初めて太宰と中也に会って、あのころは一緒の高校に通っていた。
(楽しかったなぁ)
しばらく思い出に浸っていたが今の自分の状況を思い出す。
(というか私、こんなことしてる暇じゃない!)
気付くのと同時にドーンと音がしたと思いきや、白鯨が大きく揺れる。
「うわっ!何!?」
廊下に出ようにも鍵がかけられて開けれない。
香織はガチャガチャドアノブを回す。
(駄目だ。開かない)
ドアノブから手を離す。
(ドア‥‥壊したら器物損壊で訴えられるかな?)
白鯨で何が起きているのか知りたいという気持ちでいっぱいだ。
悠長に器物損壊など気にしてる場合ではない。
(ええい!もうどうにでもなれ!!)
意を決して香織は身体でドアに体当たりする。
しかし、びくともしない。
「あれ?なんか扉がドンドンしとる」
ドアの外から女の子の声が聞こえる。
「誰かいるんですか!?ここから出してほしくて‥‥」
「あ〜閉じ込められてる感じ?いいよ、出してあげる。ちょっと離れてて」
言われた通りにドアから1、2メートル程離れる。
するとバンとドアが破壊され、姿を現したのはブラウンの髪をした少女だった。